幼なじみの榛名くんは甘えたがり。



「……ひなはいけない子だね」


つかんでいた手首をグッと引いてきた。


そのまま身体のバランスを崩して、わたしが榛名くんの胸に飛び込む体勢になってしまった。



「男の部屋に1人で入ってくるとか無防備すぎ」

「へ……?」



わざと耳元で甘く、誘うような声で話すから、身体がビクついてしまった。


離れようにも、榛名くんの長い腕がわたしの背中に回ってきていて、離れることができない。



「ふつーなら襲われても文句言えないよ」

「な、何言って……きゃっ……」


背中を指でツーッとなぞられて、
ぞくっとして、変な声が出た。


同時に、手に力が入って榛名くんのシャツをギュッと握った。

< 152 / 391 >

この作品をシェア

pagetop