幼なじみの榛名くんは甘えたがり。



「あーあ、そんな可愛い声出したら抑えきかなくなる」



さっきから、耳元でわざとヒソヒソと話すから、くすぐったい、変な感じがする。

榛名くんのささやきは、

とても危険だ……。



「もっと……ひなの可愛い声聞きたくなる」

「い、イジワルしないで……っ」



ふり絞って出た声は、自分が想像してたより甘ったるい声だった。


バクバク……心臓がこれでもかってくらいの速さで動き出す。


もう、これ以上ドキドキしたら壊れちゃうんじゃないかってくらい……。



「ひなの可愛い顔とか、声とか、他のやつには見せたくないし、聞かせたくもない」

「っ……」


榛名くんがいつも以上にストレートで、


どういう反応をしたらいいか、わからなくて、わたしはひたすら榛名くんの胸に顔を埋めることしかできない。

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