幼なじみの榛名くんは甘えたがり。
あきらかにわたしのものでも、家族のものでもない。
わたしと同じローファーだけど、サイズが大きい。
男の子が履いてるくらいのサイズ。
なんでこんなものがウチに?
わたしにお兄ちゃんや弟がいれば不自然じゃないけど、一人っ子だし。
やっぱり何かあるのかもしれないと思い、いつもは自分の部屋に向かうところを変更して、お母さんがいるであろうリビングに早足で向かった。
リビングの扉の前までくると、何やら話し声が聞こえてくる。
お母さんと、男の子の声?
━━ガチャッ……!
扉を開けて、真っ先にお母さんが視界に入ってきた。
「あら、雛乃!おかえりなさい〜」
やっぱり部屋の中は何も変わっていない。
だから、ホッとした。
のも、つかの間だった。