幼なじみの榛名くんは甘えたがり。
迷って、揺れて。



季節は7月に入った。


気づけば、学校はあと少しすれば夏休みに入る頃になっていた。


毎日が何気なく過ぎていて、何も考えずに過ごしていたらあっという間に時間は過ぎてしまう。



今日は、学期最後の全学年で行われる球技大会がある日。


自分が出る種目が始まるまで、杏奈とグラウンドの日陰で座って待機をしている。


「はぁ……」


下を向いて、思わずもれてしまったため息。
それを聞き逃さなかったのが隣に座っていた杏奈だ。



「なによ〜。暗い顔しちゃってさ。最近ずっとため息ついてない?」


「そんなにため息ついてるかな……?」


「ここ最近は毎日必ず3回以上はついてるんじゃない?」


「えぇ……そんなに?」


自分じゃ気づいていないくらい無意識に
ため息ばかりついているとは……。



「んで、そのため息の原因は?雛乃が話してくれるなら聞くよ?」

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