幼なじみの榛名くんは甘えたがり。
「榛名くんに好きって言われた……」
「うん、それ前に聞いた」
「榛名くんは……わたしが好きだって言ったくせに、他の女の子と夜遅くまで会ってた……」
思い出しただけで、落ち込んでしまう。
わたしの気持ちは、榛名くんの行動次第で、こんなにもあっさり浮き沈みしてしまう。
「雛乃はそれが嫌だったの?」
「……っ、」
「まあ、答えたくないことは無理には聞かないけどさ?一緒に住んでるから嫌でも毎日顔合わすじゃん?大丈夫なの?」
「……避けてる」
「避けてるって。逃げてちゃダメじゃん」
ここ数日。
あの日以来、榛名くんとはあまり顔を合わせていない。
わたしが不自然にも避けてしまっているから。
正直、今のわたしは自分の気持ちが全く理解できていない。
誰に向いていて、誰のことを想っているのか、全てが曖昧で中途半端。