幼なじみの榛名くんは甘えたがり。
えぇ、なんかそれじゃ、わたしだけめっちゃ気合い入ってるみたいじゃん。
「大丈夫だから。ってか、今日は雛乃が可愛くなればそれでいいの。はい、じゃあ出かけるよー」
「えぇ、ちょっ!」
結局、杏奈はメイクも軽くしかしていない。
ほぼいつも通り。
隣に並び歩いて、めちゃくちゃ温度差を感じるんですけど……と、思いながら夏祭りの場所まで向かった。
着いてみると、18時半を過ぎていて、もうすでに人がすごいことになっていた。
「うわー、すごい人。こりゃ少しでも目離したらはぐれそうだね」
「そ、そうだね」
とりあえずお腹が空いたので、屋台で何か買って食べることにした。
しかし、屋台も人がすごくて、目的のものを買うのに何十分も並んだりして、空いているベンチを探したりしていたら、気づいたら空が暗くなり始めていた。