幼なじみの榛名くんは甘えたがり。



それにしても、杏奈はどこまで飲み物を買いに行ったんだろう?


わたしが座っているベンチのそばには自販機があって、そこで買えばすぐに戻って来れるはずなのに。



周りを見渡しても杏奈の姿は見当たらない。


それから15分しても戻って来なくて、
心配してメッセージを送っても返ってこず。



とりあえず探してみたほうがいいかもしれない、と思って歩き出した時だった。


後ろからパシッと手首をつかまれた。



「ねぇ〜、キミいまひとり〜?」


その声に振り返ると、2人組の男の子がいた。



見た目がすごく派手で、容姿だけで判断するのはどうかと思ったけれど、直感で話しかけられると厄介な人たちだと思った。


そのまま無視して歩き出そうとしたけれど、
逃さないようにつかんだ手首を離してくれない。



「え〜、無視とかひどくない?」


そう言いながら逃さないように、もう1人がわたしの前を塞いだ。

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