幼なじみの榛名くんは甘えたがり。
2対1なんて敵うわけない。
ましてや、相手は男の子2人だし。
わたしがどうにかして力で敵う相手じゃない。
かといって、何もしないままだと何をされるかわからないので、つかまれた手首を振り払おうとするけど、ビクともしない。
「は、離して……っ」
声を出して必死に訴えかけて、2人をにらんだ。だけど、どうやらそれは逆効果だったみたいで。
「うわー、にらんだ顔も可愛いねー」
「しかも涙目でにらんでくるとかそそられるねー」
……なんなの、この人たち。
こっちをニヤニヤ見る顔が気持ち悪くて仕方ない。
ゾクっとして、恐怖心を煽ってくる。
「ねー、俺たちといいことしない?」
この人が言ってるいいことが、まさか
ほんとにいいことなわけがない。
それくらいバカなわたしでもわかる。
「い、いや……です、離して……っ」
何度も抵抗して、いやだと言っているのに
2人は一向に引く様子を見せない。