幼なじみの榛名くんは甘えたがり。



「あんまさー、抵抗されると無理やりにでも連れてくよ?」


「そうそう。おとなしくしてたら可愛がってあげるからさー?」



ついに、力ずくでわたしの手を引いて、
人通りがないところに連れて行こうとする。


もう無理かもしれないって、諦めかけたときだった。




「ねー、そこの人たち。
その子はやめといたほうがいーよ」




すごく嫌味なセリフが聞こえてきた。


だけど、その声を聞いて一瞬安心してしまった自分がいた。



声の主のほうへ振り向こうとしたら、
振り向く隙も与えてくれず、後ろから身体ごと引かれて、抱きしめられた。


な、なんで、ここに……



榛名くんがいるの……。



わたしを抱きしめるのは紛れもなく、榛名くんだった。


この状況がイマイチ理解できていないわたしを差し置いて、榛名くんは話し続ける。

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