幼なじみの榛名くんは甘えたがり。
榛名くんの胸元に耳をあてると、
あきらかに速く脈打つ鼓動が聞こえる。
それと、今まで気づかなかったけど、榛名くんの身体がだいぶ熱かった。
汗をかいていて、少し呼吸も乱れている。
「あの、榛名くん……大丈夫?」
「……なんで心配すんの?」
「いや、なんか汗かいてるし、心臓の音すごい速いし……」
「そりゃ焦って走ったし」
「え、走ったの?」
珍しいこともあるんだ。
榛名くんは普段からマイペースで、常に自分のペースで動く人だから、あわてている姿とか見たことがない。
いつもゆったりで、走ってる姿なんて見たことない。
「……変な人から電話で雛乃を1人置いて来たって。ついでにメッセージもきた」
「変な人?」
いったん身体を離して、
送られてきたメッセージを見せてくれた。
『可愛い雛乃を他の人にとられたくなかったら早く来なさいバカ王子』