幼なじみの榛名くんは甘えたがり。



***


「あ、あの……榛名くん?」

「……なーに?」


あれから数時間が過ぎて、ただいまの時刻は午後の2時を回った頃。


お昼を食べ終えて、ゆっくり映画のDVDでも見ようということになって、ソファに2人で座っているんだけれど…。



「ふ、普通に隣に並んで座って見ない?」


隣に並んで座るはずが、わたしの後ろに回って、そのまま抱きしめて離してくれない。



「んー、やだ。こっちのがひなに触れやすいからすき」

「えぇ……」


わたしの肩に顎を乗せながら、榛名くんの長い腕がお腹あたりにしっかり回ってきていて、身動きがとれない。



たぶん何を言っても体勢を変えてくれないと思ったわたしは、結局そのままリモコンを手に取り、映画を再生した。



選んだのはめちゃくちゃベタな恋愛映画。


わたしは夢中になって見ているっていうのに、榛名くんはよくあくびをしたり、なんだか興味がなさそう。

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