幼なじみの榛名くんは甘えたがり。



「あー、そーいえばさ。あの生意気な後輩の楓くんとはどーなったわけ?」

「え……!?」


いきなり楓くんの名前を出されて、思いっきり動揺してしまった。

まさか今ここで聞かれるとは予想していなかった。



「何そのなにかありましたってわかりやすいリアクション」

「っ!」


一瞬で、榛名くんの機嫌を損ねてしまったのが、顔を見てわかる。



「まさか好きって押されて、付き合ったりしてないよね?」


「し、してない……!か、楓くんのことは、ちゃんと断った……もん。これからも、前みたいに先輩と後輩として接していくつもりだから……」


「へー、ほんとに?」


「ほ、ほんとです……」


なぜか疑いの目を向けられてしまって、答えるのにタジタジ。


そんなわたしをからかうように、榛名くんは片方の口角を上げながら言った。



「……妬かせたらそれなりに覚悟しなよ」



そんなセリフとともに、甘いキスを落とされた。

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