幼なじみの榛名くんは甘えたがり。
わけを話して、ピンチな状況を迎えていることを説明した。
そして、わたしが手のひらを合わせて、勉強を教えてほしいとお願いすると、杏奈は何言ってんのって顔でこちらを見てきた。
「あんたねぇ。わたしに頼むの間違ってるよ」
「え?」
「そんなに困ってるなら、榛名くんに頼んで助けてもらいなさいよ。一緒に住んでるんだから」
あ、あぁぁぁそうだ!!
榛名くんがいた!!
すっかり榛名くんが頭がいいということを忘れていた。
いや、だって榛名くんといえば、
家で勉強してる姿なんて見たことないし。
というか、いつもカバンの中身空っぽだし。
授業もそんな真剣に受けてないだろうし。
勝手なイメージだけど。
そういえば、前に楓くんと勉強するのをやめて、代わりに教えてもらった時、教え方上手だったような気がする。