幼なじみの榛名くんは甘えたがり。
━━というわけで……。
「榛名くん、勉強を教えてほしいのですが…!」
その日の夜、榛名くんの部屋に教科書を持ってお願いに来てみた。
まだ時刻は9時を少し過ぎた頃。
寝るまでにまだ時間があるので、チャンスだと思い、頼むことにした。
「……めんどいから嫌だ」
ベッドに寝転んで、スマホをいじりながら拒否されてしまった。
「えぇ、そんなこと言わないで助けてよぉ……」
ショボンと落ち込みながら、部屋の中に入り、榛名くんがいるベッドに近づいて、再度お願いをしてみる。
「わたし今回の中間で全教科平均点以上を取らないと補習の対象になってしまうんですよ」
「うん、だから?」
「だからー!榛名くんに勉強を教えてもらって、何としても補習を回避したいわけなんですよ!」
すると、ずっとスマホを見ていた榛名くんが、スマホをいじるのをやめてわたしのほうをジーっと見てきた。