幼なじみの榛名くんは甘えたがり。



わたしはそっちのほうが集中できないんですけど…!!



「早くしないと教えないよ」

「えぇ……」


何を言っても折れてはくれなさそうなので、かなり遠慮ぎみに、榛名くんの脚のあいだに座った。


そのまま榛名くんの腕が回ってきて、後ろからガッチリ抱きしめられてしまった。


こ、こんなに近かったら全然集中できないんだけど…!

榛名くんは教える気はあるんだろうか?



「わかんないとこ教えてあげるから教科書開いて」


どうやら、教えてくれる気はあるみたいだけど、わざと耳元で話してくるから、くすぐったくてしょうがない。



「えっと、まず英語から教えてほしくて…」


とりあえず、この体勢に慣れてしまえばいいんだと自分に言い聞かせた。


***


それからあっという間に2時間弱が過ぎた。
意外にも榛名くんはきちんと、わかりやすく教えてくれた。


体勢は全く変えてくれなかったけど。

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