幼なじみの榛名くんは甘えたがり。



久しぶりにこんなに勉強をして疲れた。
頭がボーッとして、うとうとしてきた。


「ふぁ……」



眠くなってきて、あくびをひとつ。

体勢もずっと同じだったので、腕をグイーッと伸ばすと、身体が少し楽になったような気がする。



「あ、榛名くん、こんな時間まで教えてくれてありが……」


身体の向きをくるりと変えて、榛名くんのほうを向いてお礼を言おうとしたら、途中で切れてしまった。


だって、わたしの唇に榛名くんの人差し指が触れたから。



「いーよ。お礼は今からもらうから」


そう言った直後、唇が重なった。


「……んっ、……まって」

「やだ。お礼ちょーだいって言ったじゃん」


抵抗しようとするわたしを、器用に押さえつけて、深くキスをしてくる。


「お、お礼って……」

「決まってんじゃん。ひながお礼だって」

「なっ……!」


な、なんでわたしがお礼になるの!?

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