幼なじみの榛名くんは甘えたがり。



ズンズンと大幅で歩いていく杏奈の後ろに
引っついて、恐る恐る榛名くんたちの目の前までやってきた。


こ、これは……やっぱり浮気現場……?



「ちょっと、あんた!!雛乃っていう可愛い彼女がいるのにこんな堂々と浮気してるってどういう神経してんの!?」


杏奈がいまにも榛名くんの胸ぐらをつかみそうな勢い。


「あ、杏奈っ、落ち着いて…!」


「落ち着けるわけないでしょーが!雛乃も、この浮気者になんか言ってやりなさいよ!」


う、浮気者って。
なんかとんでもない空気になってしまった。


すると、榛名くんが杏奈に向かってズバッと言った。



「浮気者ってなんのこと?」

「はぁ!?あんたここにきてとぼける気!?」


なんだかこれじゃ、はたから見たら杏奈が浮気されている彼女みたいに見えてしまう。


収まりそうにない、この場をどう収めようか、頭を悩ませていた時だった。

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