幼なじみの榛名くんは甘えたがり。



「あのさー、浮気者って問い詰める前に、こっちの話聞きなよ」


榛名くんが呆れた口調で言った。


こうして一瞬にして榛名くんの浮気疑惑は晴れた。




杏奈は榛名くんに謝りながらも、「あんな美人が母親に見えるわけないでしょ。どー見たって年上の女に手を出したようにしか見えないわ」と、文句を言っていた。


そして、いきなり用事を思い出したと言い、この場を去って行ってしまった。


残されたのはわたしと、榛名くんと、榛名くんのお母さん。



「あ……えっと、お騒がせしました」


とりあえず、勘違いでよかったとホッとした。


すると、榛名くんのお母さんは、「ふふっ、わたしってば伊織の彼女に見えるくらい若く見えたのかしらっ〜」と嬉しそうにしていた。


「えっと、今日は2人でお買い物ですか?」

「そうなの〜。伊織に荷物持ちしてもらおうと思って」

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