幼なじみの榛名くんは甘えたがり。
そして、あっという間にチサさんが晩ご飯の準備を終えて、わたしたちに声をかけた。
ソファから少し離れたテーブルのほうに向かうと、たくさんの料理が並んでいた。
まだここに来てそんなに時間は経っていないのに、こんなにたくさん用意できるなんてすごすぎる。
「たくさん作り置きしといてよかったわ〜。温めただけだからすぐに用意できちゃった」
ふふっとチサさんが笑いながら言った。
こうして、初めて榛名くんのおウチで晩ご飯がスタートした。
ちなみに、榛名くんのお父さんは今日は帰りが遅いらしく、先に食べることになった。
料理のメインはシチューで、テーブルの中心には大きめのバスケットがあって、そこに種類豊富なパンが並べられている。
「このパンね、わたしが焼いたの」
「えぇ、そうなんですか!?」
まさかの手作り……!
パンなんて市販で買うという発想しかない。