幼なじみの榛名くんは甘えたがり。



***


その日の夜。


いつも通り、晩ご飯を終えて、
2人でソファに座りテレビを見る。


いつもソファに座ると、榛名くんがわたしの座っているほうに寄ってきてくれるんだけど、今日は自分から寄ってみた。


2人の隙間があかないくらい、榛名くんの隣にピトッとくっついて座った。



「……どーかした?」

「う、ううん…どうもしないよ」


「珍しいじゃん。ひなから寄ってくるとか」


「もっと近くでいたいと思ったの。
……ダメ?」



いつもよりだいぶ積極的な自分にびっくりするかと思ったけど、案外そうでもなかった。


ただ今は、純粋に榛名くんのそばにいたいっていう気持ちが強くて。



「……じゃあ、ここおいで」

「へ…?」


横に並んで座っていたのに、榛名くんがわたしの身体を軽々と持ち上げた。


そのまま、榛名くんの座っている上におろされてしまった。

< 378 / 391 >

この作品をシェア

pagetop