幼なじみの榛名くんは甘えたがり。



真っ正面に榛名くんの顔があって、
わたしが榛名くんの上に覆いかぶさっている体勢。


いつもとは逆で、自分が上にいることが慣れない。



「……たまにはこーゆーのもいいね」

「っ、恥ずかしいよ」


「ひなが襲ってるみたい」

「なっ、ち、違うから…っ!!」


そんな誤解されるような言い方しないで…!


すると、さっきつけたばかりのテレビを榛名くんが消してしまった。


シーンとした空間に妙に緊張してしまう。



「最近のひなさ、くっつき虫だよね」

「ぅ……」


わたしの髪に触れながら、口角を上げて笑う榛名くんの顔がよく見える。



「すごい甘えてくるし」


今度は、頬を触ったり、唇を指でなぞってきたりする。



「だって……さびしいんだもん」


自分で言って、少し恥ずかしくなって、
榛名くんの首に腕を回して、ギュッてした。

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