幼なじみの榛名くんは甘えたがり。



わたしだけがこんな気持ちになっているだけで、榛名くんからしたらそんな大したことじゃないって言われたみたいで。



「さびしくなったら会いにいけばいいだけだし」


「で、でも……いつでも会えるわけじゃないじゃん」


今は同じ家に住んでいるからすぐに会えるし、こうやって抱きしめてもらうことだって簡単なことなのに。



「じゃあ、ひながさびしくなったら呼んでよ」

「呼んだらきてくれるの……っ?」


「そりゃ、ひなに呼ばれたらね」


いつもイジワルなのに、こういう時だけ優しいのはずるいよ。



「僕と離れるのがさびしいから最近甘えん坊なの?」

「ぅ……、」


ズバリ図星を突かれてしまって、返す言葉が何もない。



「そんな僕と一緒にいたいんだ?」

嬉しそうな声のトーンに、素直に答えるように首を縦に振った。

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