夏、アイス溶けるまで

「あの、さ。俺はめっちゃ悪いやつで、この時間にするのは卑怯だと思う。迷惑になるかもしれないけどさ、この文化祭の花。」

…迷惑?花?

全く話が見えてこないから、私は首をかしげる。

「文化祭の花、一緒に作らせてくださいって先生にお願いしたの俺なんだ。」

…え。そうなの?

「なんで、そんなことしたの?」

「…話せる機会が欲しくて。」

「なんの話?」

どんどん問い詰めていくにつれて、南雲の頬は少しずつ赤くなる。

困ってるな、これは相当。



「…だから、俺が早崎のこと好きだって話、を…」

その言葉を南雲が発した瞬間、私の顔は赤くなった。

え…南雲が私を、すき???

ちらりと南雲を見る。

南雲は私より顔を赤くさせながら頭を抱えて悶えていた。

「…ねぇ、南雲。これほんとの話?」

好き、だなんて。

南雲が私を好きだなんて、信じれない。

南雲を見て、質問をする。

「…ほんとだよ。好きだよ。」

「…そっか」

そして、また流れる沈黙の時間。

ただ、さっきの沈黙の空気より甘くなってる気がする。





「…わ、たしも、すき」





沈黙が流れる中、私はずっと言いたかった言葉を口に出した。

その言葉を口に出した瞬間、私は南雲をまた好きと感じてしまった。

目の前の南雲は、赤くなった顔を驚かせて私の顔を見る。

釣られて私も赤くなる。

…なんなんだ。この状況。
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