限りない愛~甘い彼に心揺れて~
副社長は持っていた紙袋を母に渡す。中には白い箱が入っていた。しっとりしていて美味しいバームクーヘンだという。
母は喜んで受け取り、もうあがるようにと無理強いはしなくなった。家の前に白い外車が止まっていた。この車に乗るのは二度目で、前回はお泊りしてしまった時だ。
「こちらの車で来たんですね」
「うん。なかなか運転する時間がないからたまには動かさないとね。はい、どうぞ」
「ありがとうございます」
開けてくれた助手席のドアから乗り込む。運転手さんがいない二人だけの空間に少し緊張する。初めてではないけど、慣れない。
二人だけの時は敬語でないほうが喜ぶことを思い出し、大きく揺れている木々を見てから、副社長の横顔を見た。
「今日は風が強いね」
「うん、そうだね。軽くドライブしてから行こうか」
「えっと、どこに行くの?」
「ん? あー、うちに」
「うち? もしかして、副社長のマンション?」
「うん。嫌だった?」
私は「いいえ」と首を横に振った。嫌ではないし、マンションに行くのも二度目だが、ドキドキする。
母は喜んで受け取り、もうあがるようにと無理強いはしなくなった。家の前に白い外車が止まっていた。この車に乗るのは二度目で、前回はお泊りしてしまった時だ。
「こちらの車で来たんですね」
「うん。なかなか運転する時間がないからたまには動かさないとね。はい、どうぞ」
「ありがとうございます」
開けてくれた助手席のドアから乗り込む。運転手さんがいない二人だけの空間に少し緊張する。初めてではないけど、慣れない。
二人だけの時は敬語でないほうが喜ぶことを思い出し、大きく揺れている木々を見てから、副社長の横顔を見た。
「今日は風が強いね」
「うん、そうだね。軽くドライブしてから行こうか」
「えっと、どこに行くの?」
「ん? あー、うちに」
「うち? もしかして、副社長のマンション?」
「うん。嫌だった?」
私は「いいえ」と首を横に振った。嫌ではないし、マンションに行くのも二度目だが、ドキドキする。