限りない愛~甘い彼に心揺れて~
不安な理由
一難去ってまた一難。
私たちの交際を社長は認めてくれたが、一番手強い相手は会長であるおじいさんだと聞いてはいた。
だけど、こんなに早く会長に会うとは思っていない。
「こんにちは、こんにちは。やあ、久しぶりだね」
「か、会長! ご無沙汰しております!」
部内に響く大きな声に部内の誰もがドアの方へと顔を向けた。初めて聞く声だった。その声の主は部長を訪ねてきたようで、周囲を見渡しながら歩みを進めていた。
90近いと思われるおじいさんだが、貫禄ある風貌からどこか取引先の社長かなと思った。新プロジェクトの書類に目を通していた部長はビックリして立ちあがり、その人の元へと慌てて行く。
畑野さんも慌てた様子で応接室が空いているか確認していた。やっぱりどこかのお偉いさんであろう。
無事空室が確認されて、部長と課長がそのおじいさんと共に応接室へと行く。姿が見えなくなると、あちこちで安堵のため息が聞こえた。
近くの先輩社員に誰なのかと訊く。
「そうか、宮坂さんは美新フードから来ているから、初めてなんだね。うちの会長だよ。確か役員一覧に顔写真も載っていたと思うよ」
私たちの交際を社長は認めてくれたが、一番手強い相手は会長であるおじいさんだと聞いてはいた。
だけど、こんなに早く会長に会うとは思っていない。
「こんにちは、こんにちは。やあ、久しぶりだね」
「か、会長! ご無沙汰しております!」
部内に響く大きな声に部内の誰もがドアの方へと顔を向けた。初めて聞く声だった。その声の主は部長を訪ねてきたようで、周囲を見渡しながら歩みを進めていた。
90近いと思われるおじいさんだが、貫禄ある風貌からどこか取引先の社長かなと思った。新プロジェクトの書類に目を通していた部長はビックリして立ちあがり、その人の元へと慌てて行く。
畑野さんも慌てた様子で応接室が空いているか確認していた。やっぱりどこかのお偉いさんであろう。
無事空室が確認されて、部長と課長がそのおじいさんと共に応接室へと行く。姿が見えなくなると、あちこちで安堵のため息が聞こえた。
近くの先輩社員に誰なのかと訊く。
「そうか、宮坂さんは美新フードから来ているから、初めてなんだね。うちの会長だよ。確か役員一覧に顔写真も載っていたと思うよ」