限りない愛~甘い彼に心揺れて~
納得して頷く会長に相応しくないと言われているようでように感じて、気持ちが沈んでいく。

わざわざ私を呼ぶことなく、部長に聞くだけでいいのでは?と思ってしまう。だからといって、自分の判断で退室は出来ないから、ここに留まるしかないのが辛い。


「かわいらしいお嬢さんだけど、華がないね。磨けばいいものなのかね……」

「はい? あー、その辺は解りかねますが……」


容姿についてまでけなされて、消えたくなる。自分の容姿が平凡なことくらい、心得てます……。

幼い頃は両親からかわいいと言われ、大ちゃんからもかわいいと言われたが、それは身内贔屓のかわいさだと小学三年生の頃に気付いた。

かっこいい大ちゃんの隣に立つのは似つかわしくないと言いたいのだろう。

会長の私に対する質問はまだ続く。直接私に聞いてくれるのならいいが、そうではなく部長や課長に聞いていた。

本人を目の前にして、聞かなくてもいいかと思うが、私にダメージを与えたいらしい。もうここにはいたくない。

大ちゃん、助けて……。

心の中で大ちゃんを呼ぶ。
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