限りない愛~甘い彼に心揺れて~
元気にはなったが、大きくなったとは?

私は首を傾げる。たった3日で背も伸びていなければ、体重も増えていない。だいたいにおいてもう体が成長する年齢ではない。

副社長はどこがどう大きくなったと言っているのだろうか?


「ああ、でも、その丸い顔と丸い目は変わっていないね」

「はい?」


私は両手を自分の頬に当てた。丸顔は私のコンプレックスだ。

この丸顔のせいで、実年齢よりも若く見られることが多い。スーパーなどでアルコール飲料を買おうとするといつも年齢確認をするための身分証明書の提示を求められてしまう。

頬をおさえる私を見て、副社長は笑う。

その屈託ない笑顔に私は固まった。この前の式典で社長はにこやかにしていたが、息子である副社長は笑みのひとつも見せないから、クールな人という印象を受けていた。

それなのに、こんな顔で笑うなんて……なんて魅力的な笑顔なんだろう。端正な顔立ちの人の笑顔は恋愛感情など全くなくても心がときめかされてしまう。

イケメンマジックなのだろうか。すごいな。
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