限りない愛~甘い彼に心揺れて~
「そうか。あれは噂だったんだ……」

「どんなことでも気になったことがあったら、何でも聞いて。勝手な噂で真帆を悲しませたくないし、信用をなくしたくないから」


私は真っ直ぐ大ちゃんを見つめて、頷いた。


「もうひとつ気になることがあるけど、訊いてもいい?」


大ちゃんは穏やかな表情で頷いた。彼は聞けば、なんでも話してくれる。ひとりで不安を抱えるくらいなら聞くのがいい。


「ユリナさんはまだ大ちゃんを誘っているの? 今日も堂々と楽しそうに話をしていたけど」


大ちゃんは私の質問に瞳を揺らした。失敗したかな。ひねくれた聞き方になってしまったかも。うるさい女だと思われたのではないかと不安になり、視線をテーブルに落とした。

結局不安なことを訊いても不安になる。


「もしかして、嫉妬してくれている?」

「えっ、嫉妬?」

「そんなふうに感じたけど、違う?」


嫉妬、そうか。私は嫉妬していたようだ。仲良く話しているふたりを見て、嫌だと感じたのは妬いていたからだ。
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