限りない愛~甘い彼に心揺れて~
だけど、大ちゃんは私の不安を取り除くためにどんなことでも話してくれていた。


「わっ……痛っ……」

「あ、すみません」


ひとりのカメラマンが途中から入ってきたけれど、持っていた機材の入ったカバンの角の部分が私の太ももに直撃した。

なぜ直撃してきたのかは分からない。よろけたのか他の誰かにぶつかってこっちに来たのか……。

一応謝ったけど、その人はそのまま空いている場所へと行ってしまった。遅れてきたから焦っているのかも。

青あざになっていそう……と痛い部分をさすった。


「真帆、大丈夫か?」

「えっ、あ、副社長……」


さすっていた腕を背後から掴まれて、顔を後ろへと向ける。大ちゃんがいつの間にか来ていた。

確か「お相手は決定しているんですか?」という質問に答えようとしていたはずなのに。


「どこが痛い?」

「この辺だけど、大丈夫だよ」

「内出血しているかもしれない。すぐ病院行こう」

「え、そんなにひどくないと思うよ」


大ちゃんは私の肩を抱いて、ここを出ようとする。相変わらず心配性だ。
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