限りない愛~甘い彼に心揺れて~
「あの、副社長と真帆……」

「えっ、あ! ちょっ、副社長……まずい……」


私たちを呼ぶめぐみの戸惑う声にハッとわれに返る。私たちは注目を浴びていた。

大ちゃんは、会見の壇上からこちらに降りてきた。そして、心配性の彼は私を『真帆』呼んで、肩まで抱いた。

そんな親密な様子に誰もが唖然としていたが、30代半ばくらいの男性記者がマイクを片手に立ち上がった。


「そちらの女性とはどのような関係ですか?」


ここにいる全員が疑問に思っているであろうことを問う。

私は口を手で押さえて、大ちゃんを見た。彼はまだ私の肩を抱いている。この密着している姿になんの関係もないとはもはや言えない。


「私の大切な人です」

「それはどういった意味で捉えたら良いでしょうか?」

「彼女と結婚する予定です」

「だ、副社長――」


キッパリと言い切る大ちゃんに狼狽えてしまうが、彼はしっかりと私を掴んで離さない。

会場内はざわめいた。


「そちらの方のお名前を伺っても……」

「申し訳ありませんが、怪我をしているかもしれないけど、失礼させてもらいます。彼女とのことは今回は関係ないので」
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