限りない愛~甘い彼に心揺れて~
「お父さん、おはよう。大祐くんは一緒じゃないの?」

「いや、一緒に来たけど、洸たちに捕まったよ」

「で、置いて来ちゃったの? かわいそうに」

「かわいそうじゃないよ、喜んでいたよ」


専務と娘さんの会話にあれ?と思う。大祐くんと言った?

大祐くんって、もしかして……。


「おはようございます」


顎に手を当てて考えた時、後ろから頭にポンと誰かの手が置かれる。


「大祐くん、おはよう。今日はありがとう」

「ううん。俺も楽しみで来たから。真帆、おはよう」


振り返って口をポカンと開けた私に挨拶したその人は、副社長だった。なぜ副社長がここに?

副社長はスーツ姿ではなくカジュアルな薄グレー色の長袖シャツとブラックジーンズ。そんな服装もよく似合っていてかっこいい……と、見惚れている場合ではない。

挨拶、挨拶。


「おはよう……ございます。どうして?」

「洸の初めての運動会を見に来たんだよ。専務の家族には前から親しくさせてもらっているんだ。あれ? でも、知らなかった?」

「宮坂さんが喜ぶだろうなと、今日まで秘密にしておいたんだよ」
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