限りない愛~甘い彼に心揺れて~
「そうだったんだ。真帆、ごめんな」

「ううん」


しんみりとした声に私は、首を横に振った。離れてしまったのは、副社長のせいではなくて変えることのできない運命だったのだから。

でも、こうして再会できたのは本当に嬉しい。


「まあまあ、二人はこれからだよね。ほら、いつまでも立っていないで早く座って。宮坂さんもこっちに座る?」

「いえ、私はうちの方に座ります」


専務が気まずくなりかけた空気を変えてくれたが、過去のこととはいえ自分の気持ちを知られてしまったから副社長の近くには恥ずかしくて座れない。

兄の腕を引っ張り、私は母の隣に座った。

横目で隣の方を見ると、副社長はプログラムを楽しそうにしていた。その姿に心がほんわかする。小さい子の面倒をみるのが好きで、教師か保育士になりたいと言っていたことを思い出す。

その時の私はよくわかっていなかったけど。

でも、今は副社長。会社の後継者として、引き取られたと言ってたから、仕方なくなのかもしれない。

大ちゃんは、どんな気持ちで副社長になったのだろう。

「あ、出てきた! 洸くんと手を繋いでいるわ。かわいい!」

「かわいい! おーい、実亜(みあ)ー」
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