限りない愛~甘い彼に心揺れて~
昔、彼は私をなにかと気にかけてくれて、いろんなことを手伝ってくれた。恩返しというわけではないが、私に出来ることなら何でもしたい。
私はあとで、明日の夜のことを緒方さんに断ろうと思い、先に退室した。
出ていく時、副社長は優しく微笑んで手まで振っていた。副社長というよりも大ちゃんという方がふさわしいその姿に緊張していた心は軽くなり、自然と顔が綻んで、つい手を振り返してしまう。
不機嫌そうな顔をしていたから、なにか粗相でもしてしまったかと思ったけど、気のせいだったようだ。
同じように微笑む副社長を見て、気持ちがほっこりとなる。その後の足取りは、浮いてしまった。
軽快に歩いて広報部に戻る。緒方さんに断りの連絡を入れる前にめぐみに誘われたことを話すと、予想外の言葉が返ってきた。
「緒方さん、真帆だけを誘っていなかった?」
「えっ、どういうこと? めぐみの予定を聞くと言ったら、うんと返してくれたよ?」
「緒方さんから私に連絡が来たのよ。宮坂さんから誘われるかと思うけど、山辺さんは遠慮して、宮坂さんにはひとりで行くように言ってと」
「ちょっと、なにそれ? 何で私ひとりで? 何でめぐみが一緒じゃダメなの?」
私はあとで、明日の夜のことを緒方さんに断ろうと思い、先に退室した。
出ていく時、副社長は優しく微笑んで手まで振っていた。副社長というよりも大ちゃんという方がふさわしいその姿に緊張していた心は軽くなり、自然と顔が綻んで、つい手を振り返してしまう。
不機嫌そうな顔をしていたから、なにか粗相でもしてしまったかと思ったけど、気のせいだったようだ。
同じように微笑む副社長を見て、気持ちがほっこりとなる。その後の足取りは、浮いてしまった。
軽快に歩いて広報部に戻る。緒方さんに断りの連絡を入れる前にめぐみに誘われたことを話すと、予想外の言葉が返ってきた。
「緒方さん、真帆だけを誘っていなかった?」
「えっ、どういうこと? めぐみの予定を聞くと言ったら、うんと返してくれたよ?」
「緒方さんから私に連絡が来たのよ。宮坂さんから誘われるかと思うけど、山辺さんは遠慮して、宮坂さんにはひとりで行くように言ってと」
「ちょっと、なにそれ? 何で私ひとりで? 何でめぐみが一緒じゃダメなの?」