君と出会えた物語。
第1章*⑅
「悲劇のヒロイン気取ってんの?」
泣いていた私の後ろから冷たい言葉を放ったのは、同じクラスの柳田大輝。
入学して2ヶ月経ってこれが初めて私に向けられた言葉だった。
...え。
「お前に言ってんだよ、下田朱莉。ちょっと悪口言われたぐらいでメソメソして...。」
私は彼の心ない言葉にムカつく。
「柳田くんになにがわかるの!?」
そう言ってその場から走った。
あいつに私の気持ちなんて分かんない。
クラスの人気者で誰からも好かれる。
そんな人に嫌われる私の気持ちなんか分かるはずがない。
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