君と出会えた物語。
「私、結海ともみんなとも仲良くなれて本当に嬉しいよ。それに結海のそういうところ...私、本当に大好き!」
結海の素直な言葉に私も素直に答える事が出来た。
「私も朱莉のこと大好きっ」
いつも大人っぽい結海が無邪気な笑顔で手を握ってくれた。
それが嬉しくて、私も握り返す。
ドタドタドタ…
「あぁー!!ずるい、2人だけなに仲深まってるの。混ぜてよ!」
遠くから見ていたのか江美が駆け寄ってきて頼んだご飯を乗せたお盆をテーブルに置いてから抱きついてきた。
「お。女子同士もありだな〜。」
裕太が冗談を言いながら駆け寄ってきた。
男子も買えたみたいで私たちが座ってるテーブルに再びみんなで集まった。
「じゃあみんな揃ったし食べますか!」
結海が江美を席に座らせながら言った。
みんなで手を合わせて、
『いただきますっっっ』
私は江美と半分こしながらオムライスとハンバーグを口に運ぶ。
どっちもすごく美味しくて、江美と顔を見合わせて美味しいねって笑った。
友達がいるとご飯一つでも全然違う。
そう思えた。
「あ、そういえばさ今度の合宿どこ行くんだっけ?」
向かいに座っているヒロがカレーを食べる手を止めて聞く。
「合宿?」
そんなのあったっけ?
「金曜日のホームルームで先生が言ってたよ。夏休み前に合宿があるって。」
今日のことで浮かれ過ぎて聞いてなかった私に結海が説明してくれる。
「確か...自然学習とかだったはずだから山奥とかじゃね?」
達也くんがヒロに言うのを聞いて、そうなんだ!と思った。
「朱莉ちゃんと先生の話聞いとかないとだよ。」
私の肩に手を置いて江美がニヤっと笑う。
肩をあげてニコっと返すと江美はもう一度笑って途中だったご飯をまた食べ始めた。
「ヒロもな。」
すかさず達也くんが言う。
「あいつ話長いから聞いてらんないんだよ。」
ヒロは面倒くさそうな顔をして言う。
それを見て笑ってる私にヒロがだよなぁって話を振ってきた。
確かに担任のうのちゃんは話が長い。
「本当にそれだよ。」
浮かれてて聞いてなかっただけだったけど、それを言うのも恥ずかしいから同調した。