君と出会えた物語。
「てか、いいよな。結海と俺は違うクラスだから別行動じゃん。」
裕太が羨ましそうに頬杖つきながら結海に言った。
「本当にそれ。最近ずっと一緒だったから二泊三日もまともに会えないとか寂しい。」
3日も会えないのか…。私も寂しいな。
「3日しかだろ?その前も後もどーせ一緒に居るんだし、なに永遠の別れみたいに言ってんだよ。」
ヒロが裕太の頭を小突いてくしゃっとさせた笑顔になる。
その笑顔を見ていると私まで笑ってしまう。
いや、私だけじゃなくてみんな笑顔になる。
「ずいぶん話し込んじゃったね。江美そろそろ帰ろうかな…。」
外を見ると太陽が沈みかけていた。
「そうだな、帰るかっ。」
モールから出るとあたりいっぱいにオレンジ色の世界が広がっている。
「すごく綺麗…。」
思わず口から出た。
「そうだな…あ、写真撮るか!みんなで!」
ヒロは携帯を出してカメラを開いた。
「お前ら〜撮るぞー!はい、ちーず。」
パシャ
携帯の画面にはオレンジ色の世界と笑顔で溢れた素敵な画像が思い出として残った。
「送ってやろうか?」
「うん!送ってほしい。」
画像を送ってもらうためにトークを交換した。
ヒロのアイコンは入学式に裕太と達也と3人で撮ったと思われる写真だ。
本当に仲良いんだな。
「ヒロ、ありがとうね!」
色んな意味を込めて感謝の気持ちを伝えた。
「おう!」