君と出会えた物語。
どれくらいここに居るのか分からない。
校舎の壁にもたれかかってぼーっと空を見る。
そういえば昔もこんな風に校舎裏に居たことあったな…。
確かあの時は今は何してるかも分からないあの子が必死で探してくれて私を見つけた時に泣いて抱きしめてくれた。
今、その子がどこに居るのかすら分からない。
喋らなくなってすぐに転校してしまって、それ以来会えなくなってしまった。
私って本当に最低なことしちゃったんだな…。
キーンコーンカーンコーン…
何回聞いたか分からないチャイムの音でみんなの前から急に居なくなってしまったこと思い出した。
学校だからサイレントにしてあった携帯を開くとみんなからどこにいるの?とか大丈夫?ってたくさんトークが来ていた。
あと、ヒロからのたくさんの着信。
休み時間の度に何回もかけてくれてる。
春菜って子…ヒロの彼女だったんだ…。
知らなかったとはいえ、そりゃ彼女だったら嫌だったよね。
「はぁ…。」
自分への嫌悪感と自覚したばかりの初恋の終わりに涙が流れる。
気持ちすら伝えれてない。
けど、伝えることも許されない。
まだ気になる程度のはずだから引き返せる。
気になってるのなんて今だけ。
なんて無理のある考えを巡らせる。