君と出会えた物語。
「知り合いなの?」
頭がついてこない私に真由ちゃんは親が一軒家を買ったのがこの辺で転校先がヒロ達の学校だったことを教えてくれた。
こんなに近かったんだ。
「でね、中学の頃に朱莉のことヒロに話したことあるの。」
「え?」
私の事を…?
「転校してすぐかな?待ち受けさ、朱莉との写真だったんだけど…それ見ながら朱莉どうしてるのかな。とか考えてたの。」
真由ちゃんが言うには、ちゃんと話したのはその1回だけだったらしい。
私とあやふやなまま別れてしまって心残りだった事。
今でも心配してる事。
全部話したらしい。
「その時に柳田くんがね、そんな子じゃないのはお前が1番分かってんじゃないの?って、言ってくれて…。」
ヒロらしいな。
素直にそう思えた。
全部知った上でヒロは私に声かけてくれたんだ。
考えれば考えるほどヒロの優しさを感じた。
「でも、連絡先分からなくなっちゃって…。学校まで行けば良かったんだけど、今更って思うと勇気出なくて今日に至るって感じ。」
苦い顔をして笑う真由ちゃん。
真由ちゃんもたくさん悩んでたんだ…。
「私、今日真由ちゃんが声かけてくれて嬉しかったよ。」
私の精一杯の想いを伝えた。
目に涙を溜めて私を見る真由ちゃんは私の目を見て話を続けた。
「私も話せて嬉しいよ!…だから、そんだけ柳田くんのこと大事ならちゃんと話さないとダメだよ。話さないと分からないことってたくさんあるから。」
私がヒロのことを避けてしまってることを指摘して頑張れって背中を押してくれた。
ダメなところはちゃんと伝えてくれる。
私、頑張るよ。
私もヒロにちゃんと伝えたい。
聞きたい事たくさんある。