君と出会えた物語。



告白は成功した。



嬉しくて朱莉のことを強く強く抱きしめる。



存在を忘れて居た転校生ちゃんが冷やかしてきたりしたけど、それすらも嬉しかった。



「邪魔すんなよ、転校生ちゃん。」



顔が熱くなる。



かっこわりぃな、俺。



帰り際に朱莉に聞こえないように転校生ちゃんが小さい声で言う。



「柳田くん変わったね。ちゃんと朱莉のこと一途に見ててあげてよね。」



転校生ちゃんは、俺の過去を知っている。



出会ったのは中2の冬とかだっけ。



あの頃の俺はどうかしてた...。



「もう大丈夫。なんとしてでも、俺は朱莉のあの笑顔を守るよ。」



そう言うと転校生ちゃんは安心したように笑って帰って行った。



こんなに誰かを守りたいなんて初めて思った。



中学の時も高校に入ってからもちゃんとした恋愛なんてしてこなかった。



けど、朱莉は違う。



なにがあっても俺が守ってみせる。


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