君と出会えた物語。
校舎に近づいた時結海が足を止めた。
「ねぇ…朱莉。昨日もあの子達と居たんだよね?」
急に言われて何のことか分からなくて首を傾げる。
そんな私を見て結海が指をさした方向を見ると。
そこには、私の上履きが置いてある下駄箱の前に春菜と呼ばれる子が昨日の友達と立っていた。
ドキン…
「そ、そんなこと…。」
動揺して上手く言葉が続かなくなった。
「正直に言って。昨日見たって言う子が居たの。」
結海が怖い顔をしている。
真っ直ぐ私を見て言う結海に言い逃れ出来るなんて思えなかった。
「え…どういうこと?」
江美が話についていけないと言わんばかりの顔をして私と結海を交互に見ている。
どうしよ。
さっきまですごく幸せだったのに急に現実に引き戻された感じ。
「お願い…。ヒロには言わないって約束してくれる?」
ふぅ…と息を吐いて、結海が頷いてくれた。
「言わないからちゃんと話して。」
その言葉を聞いてホッとした。
もし、断られたらますますどうしたらいいのか分からなかったから。
それから昨日の朝のことを結海と江美に話した。
江美は口を両手で押さえて驚いていて、結海は腕を組んでそう言うことだったのか…と呟いた。