君と出会えた物語。
1人残された下駄箱の前でそんな事をぼーっと考え込んでしまう。
「ねぇ…大丈夫?」
春菜ちゃんが去ったのを見て2人が駆け寄ってきてくれたみたい。
「朱莉、なんで泣いてるの?なんか言われた?」
泣いてる?
頬に手を当てると顔が濡れていた。
泣く事なんて何もなかったのに。
「ううん。何にも言われてないよ。」
春菜ちゃんに私は同情してしまっていたのかな。
それとも、自分勝手な私に泣いていたのかな。
考えても分からなかった。
キーンコーンカーンコーン…
「授業始まっちゃうね…朱莉いけそう?」
「うん。大丈夫!」
心配ばっかりかけてしまってる私にいつでも優しい2人。
精一杯の笑顔で答えることしか出来なくてごめんね。