君と出会えた物語。
初デート。
みんなと遊びに行くことはあったけど、2人で出かけるのは初めて。
ヒロと出掛けられるのは嬉しい。
向かった先はいつものモール。
「定番だけど映画観ようぜ。」
「うんっ。」
2人で観る映画を選んだ。
今話題の恋愛もの。
映画の席は思ったより距離が近い...。
肩が触れちゃってるよ。
こんな感じでちゃんと映画なんて観れるかな。
時間になると周りが暗くなった。
「始まるね。」
「そうだな。なぁ朱莉。」
「うん?」
呼ばれてヒロを見ようと横を向いた。
けど、ヒロの顔が近くて目を瞑ると唇に柔らかくて温かい感触。
「...え。」
今のって...キス?
「ほら始まるぞ。」
ヒロの真っ赤な横顔は映像の光で照らされる。
可愛い。
愛しい。
大好き。
いろんな感情が溢れる。
映画の内容はほとんど覚えていない。
キスのことを思い出して顔が赤くなる。
「なに赤くなってんの?」
意地悪な笑みを浮かべて覗き込んでくる。
「赤くなってないもん。」
ちゅ...
「ず、ずるいよ。」
「朱莉可愛いからつい。」
ヒロは私の手を繋いで歩き出す。
この後ろ姿すごく好き。
「ヒロ、大好きだよ。」
「俺も朱莉のこと大好き。」
振り返ってそう言ってくれた。
幸せすぎてやばい...