君と出会えた物語。
なんでこんな状況になっているのか。
窓際の席に柳田くんと並んで座っていた。
沈黙が続く重たい空気に、耐えきれなくなってきた。
なんか…話した方がいいのかな…。
「あ、のさ。なんでここにいるの...?」
勇気を振り絞った。
誰かに自分から話しかけるなんて久しぶり。
「ん?あー、ここは俺のサボり部屋だから。お前こそこんなとこでなにしてんだ?」
「え?うーん。なにしてんだろうね?...。」
笑ってそう答えたけど、本当に私…なにしてんだろう。
「下田さんさ、変わりたいって思わないの?逃げてばっかりじゃなくて。」
こんなにストレートに言われたのは初めて。
けど、なんでも見透かしているような柳田くんの目を見てるとなんでも話してしまう。
私の心にずっと引っかかってるあの日のこと…。
「私ね、中学校まですごく仲のいい子がいたんだけど昔から悪口とか言われやすい私をその子はずっと庇ってくれてたのに…私自分に自信なくて…私が悪口言ってるって噂流された時も違うよね?って言ってくれたのに上手く答えれなくて…違うって言いたいのに言えなくて…変わりたいなんて何回も思ったよ。けど、そう簡単に変われないの。」
こんな話初めて誰かに言った。
自分の弱いところを人に言うって勇気いるんだな…。
ふと隣を見ると柳田くんは不機嫌そうな顔をしている。
なんかまずいこと言ったのかな…。
「ごめん...。こんな話…。」
「変わるきっかけあったじゃん。無駄にしたのは自分でしょ?」
私の言葉を遮って横目に私を見ながら柳田くんが言った。