君と出会えた物語。




基本的に班行動で、ヒロのことを見かけることは出来るけどなかなか話しかけるタイミングがない。



ーガッ



ぼーっと歩いていたから小さな段差に躓いてしまった。



「きゃっ…。」



でも、強い力で支えられて転ばずに済んだ。



「あ、ありがとう。」



お礼を言って顔を上げる。



達也くんかな…。



そう思ったけど思わぬ人に息を呑んだ。



そこには、龍野楓(たつの かえで)くんが居た。



「ため息ばっかりだよ。なんかあった?」



同じクラスで今回の合宿の班は4人でその内の1人になった人。



で、江美が最近きゃーきゃー言ってる人。



「ううん。なんでもないよ。」



せっかくの合宿なのにヒロのことばっかり考えちゃってるな…。



昨日のヒロの行動がどうしても気になってしまう。



さっきだって龍野くんが居なかったら怪我してたかも知れないし。



ぼーっとしてばっかりじゃダメだよね。



しっかりしないと...。



初日は着いてすぐから山を登ったり、ご飯を作ったりなんかすごくバタバタしてた。



疲れて少し休憩するとヒロのこと考えて…



宿に着いても集会とかあって、身体も心も忙しい。



そんな1日だった。



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