君と出会えた物語。
「...え?」
「その子にちゃんと伝えれば良かったじゃん。どんなに遅くなってもその子はちゃんと聞いてくれたと思うけど?逃げたことに後悔してるなら今だって変われると思う。」
優しい言い方で言ってくれてるけど、冷たく突き放された気がした。
やだ…また泣きそう…。
柳田くんはなんでいつもそんなに自信があるんだろ。
私も柳田くんみたいに強かったら良かったのに。
「わ、私だって…変わりたいって…ずっと、ずっと思ってるもん。」
思わず俯くと、隣に座っていた柳田くんが立ち上がり私の顔を両手で挟み目を見て続けた。
「思ってても殻にこもって置物みたいに笑ってる奴と、俺はまた話したいなんて絶対思わねー。今の現状はお前の積み重ねてきたもんだろ。変わるきっかけなんていくらでもある。泣いてる暇があったら1回ぐらいお前から話かけてみなよ?」
厳しい言い方だけど、真っ直ぐ私のことを見て言ってくれてる。
まるで心に語りかけられてるみたい。
今まで私のことをこんなに真剣に言ってくれる人なんて今まで出会った事がない。
自分に自信がないから…
昔をずっと引きずって殻にこもってる…
そんな私に友達なんかできないよね。
変わりたいって言葉に甘えて、
変わろうとしなかった私の心にすごく響いた。
「柳田くんの言うとおりだよ...。私…頑張ってみる。…柳田くんってすごい人なんだね。」
人の心を動かすことがどれほど難しいことか。
けど、魔法みたいに簡単に動かしてしまう。本当にすごい人。
「おう!俺はすごい人。だからな!」
思わず笑うと柳田くんも子供みたいな無邪気な顔をして笑った。
初めて見た柳田くんの笑顔はすごく可愛い。
女子に人気がある意味分かるな。