君と出会えた物語。
「ヒロが付き合ってるのは朱莉じゃないの?なのに、なんで奈々と抱き合う必要があるの?」
イライラしてるのもあってキツイ言い方なのは自分でも分かってる。
けど…許せない。
「…江美。私が悪いの。ヒロは優しいから…私のことは特別だから、ほっとけないんだよ。」
黙って居るヒロに後ろから奈々が口を開く。
「朱莉はあんたより特別だと思うけど。」
涼しい顔をして言う奈々にムカついて睨みながら言った。
「おい、やめろよ。奈々は悪くない。」
「なにそれ…ヒロは朱莉の彼氏でしょ。なんで彼女を大事に出来ないの?」
例え友達だとしても私の友達を傷付けるのは許せない。
朱莉のことは心配だけど、はっきりさせないと気が済まない。
「朱莉は彼女だけど、奈々も俺にとっては大事なんだ…。」
呆れた。
呆れ過ぎて返す言葉も見つからない。
「私は今でもヒロのこと好きだよ。」
沈黙を破ったのは奈々。
「ヒロ。私とより戻そうよ。」