君と出会えた物語。



どこに向かっているのか分からない。



けど、時々振り返って笑いかけてくれる。



「着いた。どうぞっ!」



カランカランっ



案内されたのは小さなカフェ。



おしゃれだけどすごく落ち着く。



椅子に向かい合わせに座るとメニューを差し出してくれた。



「ここすごく美味しいから俺のおすすめ!」



ニコッと笑ってる男の子。



けど、私は不思議だった。



「あの...なんでカフェに?」



「うん?あぁさっき手を掴んだときにこの子ご飯ちゃんと食べてるのかなって思ったから。」



「え、あ。そうだったんだ...ありがとう。」



心配してくれてたんだ。



あの一瞬でそんなこと考えれるなんてすごいな。



「あ、俺南高1年の中島俊(なかじま しゅん)。名前聞いてもいい?」



「西高1年の下田朱莉です。」


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