君と出会えた物語。
しばらく話した後こっちに歩いて来る2人。
今更だけど緊張する。
大人の男の人と話すのは先生以外ほとんどないから。
「朱莉ちゃん?俊の父親です。働いてくれるって今俊から聞いて親御さんとか大丈夫なのかな?」
「あ、初めまして。はい、大丈夫だと思います。ちょっと親に電話してもいいですか?」
「もちろん。あ、もし大丈夫だったらおじさんも話してもいいかな?」
「はい、大丈夫です!」
俊のお父さんは俊に似てすごく話しやすい。
さすがお父さんっていうぐらいしっかりしてる。
鞄から携帯を取り出してお母様にかけた。
プルルルルプルルルル...
「もしもしー。朱莉どうしたの?」
「あ、もしもしあのね、私...バイトしたくて電話したんだけど...。」
「え!?いいけど...お小遣い足りないなら...。」
「違うよ。お小遣いは足りてる!けど、働いてみたくて。」
俊と俊のお父さんは心配そうに見ていたので、右手で丸を作った。
「分かったわ。朱莉が何かしたいとか言うの始めてだし、お母さんは賛成よ。」
「ありがとう。お店の人にかわっていい?」
「もちろん。」
俊のお父さんに携帯を手渡した。
「やったな!俺、親のこととか考えずに言っちゃったからドキドキした。」
俊は椅子に座りながらそう言った。
正直私もそこまで考えてなかった。
けど、お母様に何かしたいと初めて言えたことはすごく嬉しい。
話し終えた俊のお父さんは携帯を返してくれた。
「朱莉ちゃんこれからよろしくね!」
笑うと親子なんだなって思うぐらい俊と似てる。
「こちらこそ宜しくお願いします!」