君と出会えた物語。
今日はお休みだから昼までゴロゴロと時間を潰して、ゆっくり準備して夕方に家を出た。
家を出ると浴衣姿の子供やカップルがたくさん歩いている。
私には関係ないけど。
虹に向かうと店内はまったりしていた。
「あ、朱莉ちゃん!ちょっとここ座って待ってて。」
待ってて?なにを?
裏から俊パパと入れ違いで俊が出て来た。
「朱莉、花火行くぞ!」
「え!?花火?」
俊は私の手を掴んで店を出た。
「ごめんな。でも、朱莉と花火行きたくて...迷惑だった?」
「ううん。迷惑じゃないよ。」
振り返って困った顔で顔を覗き込んで来る俊に笑いながら言った。
「そっか!良かった。じゃあ花火行こっか。」
繋いでいた手は離れてしまった。
そのことに寂しさを覚える。
もしかして好き?なのかな...
「朱莉?聞いてる?」
「え?ごめん。考え事しちゃってた。」
俊は眉を下げたけど、すぐに笑顔に戻って指を差す。
「飴買ってあげるから元気出して!」
「ち、違うの。元気だよ。本当に!」
「そっか、良かった。じゃあなにがともあれ飴買って来る。」
俊は私の頭をぽんっと撫でてりんご飴のお店に走ってく。