君と出会えた物語。
side 俊
思ったよりもりんご飴の列が長くてもどかしい。
やっと買えて朱莉のところに戻ると朱莉の姿はなかった。
その代わり中学の懐かしいメンバーが勢ぞろいだった。
「おうっ!久しぶりだな。」
そう言ってヒロの肩に手を置いた。
「俊...。」
「あれ?なんかあった?」
いつもうるさかったみんながすごく静かなことに違和感を感じる。
「なんもねぇよ。」
「そ...っか。あ、あのさお前達西高だったよな!下田朱莉見なかった?」
急に全員から見られて焦る。
なんだよこいつら。
変なの...。
「なんで俊が朱莉のこと知ってんだ?」
「あぁ夏休み入ってしばらくしてから店の近所でぶつかったんだよ。それで泣いてるし、腕とか訳分かんないぐらい細いし、こいつこのままだと死ぬんじゃないのかなって心配で虹に連れいったって感じ?」
「そうだったんだ...。」
江美がやっと口を開いたのにまた無言になる。
なんかあったんだな。
とりあえず朱莉を探さないと...。
「今、朱莉虹でバイトしてるんだ。なんかあったら虹に来いよ。」
そう告げてからその場を後にする。